風邪やインフルエンザにかかると、医療機関で抗生物質が処方されるケースがあります。

抗生物質は、もともと細菌の成長を阻害し死滅させる物質なので、飲みすぎてしまうと体に必要な常在菌にも影響を与えてしまう可能性があります。

このページでは、抗生物質の作用や働き、腸内環境や身体への影響、服用の際の注意点などを詳しく紹介していきたいと思います。

抗生物質とは

抗生物質とは「細菌を殺してウィルスなどの感染を抑える」薬のことです。英語では「アンティバイオティクス(antibiotics)」と呼ばれておいます。
もともとは微生物から作られた他の微生物を死滅させるための物質を指していましたが、最近は人工的に造られたものも「抗生物質」に分類されています。

1929年にイギリスのフレミングが青カビから「ペニシリン」を発見して以来、現在に至るまでさまざまな抗生物質が開発され、不治の病と恐れられた「結核」などの感染症治療に役立てられてきました。

抗生物質の作用・機能・働き

抗生物質は細菌をはじめとする微生物の代謝や合成経路に作用し、生育を阻止したり死滅させたりする働きがあります。そのため、抗生物質は主に感染症の治療薬として活用されています。

一概に感染症と言っても、ウイルスやカビ、原虫や寄生虫など原因となるものはさまざまあります。
しかし基本的に、抗生物質はウイルスによる感染症の場合、直接的な効果を発揮しません。というのも、細菌は細胞で構成されている「生物」なので、自分の力で増殖し、私たちの身体機能に悪影響を与えます。

しかし、ウイルスは「生物」ではないため、直接細胞の中に侵入することで増殖し、最終的には細胞を破壊してしまうのです。そのため、ウイルスが原因となるインフルエンザや風邪などの症状の場合、抗生物質だけでは高い治療効果は発揮できない可能性もあります。

抗生物質が使用されるケース

抗生物質は細菌性の感染症を患った場合、主に飲み薬や点滴薬、点眼薬、塗り薬として多く処方されます。基本的には原因となっている細菌の種類や症状がみられる部位によって、使用する抗生物質や治療方法が違ってきます。

例えば飲み薬であれば外傷による感染症や性感染症の治療薬として使用されています。風邪やインフルエンザに罹った場合も、抗生物質の飲み薬は弱った体を細菌感染から守る目的で、炎症を抑える薬や咳止めなどと一緒に処方されることがあります。

また、抗生物質は肺炎や髄膜炎を患った場合や手術後の感染症予防といった目的で、主に入院した際に点滴や注射薬として使用されることもあります。そのほかにも、ものもらいや結膜炎にかかった際には点眼薬として、真菌性の皮膚炎を発症した際は塗り薬として抗生物質は使用されています。

腸内への影響

「抗生物質を飲んだらお腹が緩くなった、下痢してしまった」という経験がある方はいませんか?

もともと抗生物質は細菌をやっつけて身体を感染症から守るために使用されていますが、薬の種類や服用する人の体質によってはお腹を緩くしてしまう場合もあるようです。

抗生物質は一つの細菌だけに作用するというよりは、いろいろな細菌に対して効果を発揮します。そのため、原因がわからない感染症の場合でも、抗生物質を使用すると症状の改善する効果が期待できるというメリットがある一方で、人体にとって必要な細菌にも作用してしまうというデメリットもあるのです。

抗生物質が原因で腸内細菌である善玉菌の活動が抑えられてしまい、結果的にお腹が緩くなったり下痢をしてしまったりすることがあります。

身体にはどの様な影響が出るのか

抗生物質を服用すると、腸内細菌をはじめとする体内の常在菌に影響を与えてしまう可能性があります。例えば腸内への影響については先述したように、抗生物質が悪玉菌、善玉菌の両方の活動を抑えてしまうことで、結果的に下痢を引き起こすこともあるようです。

抗生物質が体内でカビの発生を防いでいた常在菌を殺してしまうと、カビが繁殖しカンジダ膣炎を発症する原因となってしまうケースもあります。
そのほか、抗生物質の種類や飲む人の体質によっては、胃の痛みやもたれ、耳鳴り、全身もしくは体の一部のけいれん、歯の着色などが起こることもあるようです。

また、人によっては抗生物質服用後にアナフィラキシーショックを起こすケースもあります。アナフィラキシーショックは抗生物質に限った症状ではありませんが、極めて重篤になる可能性が高いため、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。

抗生物質の多用の危険性

抗生物質の多用・乱用は、体内で「耐性菌」を生み出す原因になる可能性があります。

私たちにとっては感染症の原因となる細菌は毒と言えますが、細菌にとっては自らを滅ぼそうとする抗生物質が毒そのものです。
最初は太刀打ちできずとも、段々と自分たちを攻撃してくる抗生物質に対抗しようとしはじめます。そうして誕生するのが、遺伝子を突然変異させ抗生物質に対する抵抗力をもつ「耐性菌」という強い細菌です。
細菌は接触したことが無い他の細菌とも遺伝子を共有してしまうため、耐性菌が増殖していくと抗生物質が効かない非常に強い細菌が誕生していくこととなります。

また、多用・乱用だけでなく、医師に処方された抗生物質の服用を途中で中断したり、少量だけ服用したりすると治癒が遅くなるだけでなく、耐性菌の増殖を招く原因にもなるので、処方された抗生物質はしっかりと飲み切ることが大切です。

抗生物質を飲むなら

抗生物質を医師に処方してもらう場合、普段からお腹が緩くなったり、下痢をしたりすることが多い方は事前にその旨を伝えておきましょう。

腸内環境への影響を考慮することはもちろん大切ですが、感染症を治療するうえで抗生物質は非常に役に立つ薬でもあるので、服用せざるを得ない状況もあるかと思います。

抗生物質を飲む必要がある場合は、腸内細菌への影響を減らすために、整腸剤などを一緒に服用すると良いでしょう。整腸剤には腸内で善玉菌となるビフィズス菌や乳酸菌が配合されているため、抗生物質の影響による軟便や下痢などの症状を防ぐ効果が期待できます。抗生物質の種類によっては市販の整腸剤では効果が出ないこともあるので、必要であれば医師に処方してもらうことをおすすめします。

抗生物質を服用したからといって、腸内細菌が全滅してしまうわけではありません。実際に抗生物質を1年間服用した場合でも、活動を続けている腸内細菌がいることが分かっています。

抗生物質を服用した後でも、乳酸菌やビフィズス菌などが含まれている食品やサプリメントを飲み、腸内環境を整えるようにしましょう。

まとめ

抗生物質は細菌が原因で起こる感染症には高い効果を発揮しますが、ウイルスが原因の症状には直接的には利きません。

また、抗生物質を多用・乱用したり、医師に処方された量を適切な日数で飲み切らずに中断してしまったりすると、耐性菌の成長を促してしまう可能性があります。

もともとお腹が緩かったり下痢気味だったりする方は特に、抗生物質の服用が原因で腸内環境が悪化することもあるので、整腸剤や乳酸菌、ビフィズス菌のサプリメントを並行して飲むようにしましょう。

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