健康診断は自分の身体の状態が健康であるかどうかをチェックし、病気を予防するためのものです。
どんな病気も早期に発見されれば、早期に治療ができるので完治の可能性が高くなります。健康診断は毎年受けることが大切です。

健康診断の結果は、専門的な単語や数値が書かれており、見方が難しい場合もあります。ここでは健康診断の項目について、正常範囲とされている数値の紹介をします。
また、胃腸の健康にかかわる検査項目について詳しく説明していきます。

国立がん研究センターが発表した2016年のがん統計予測では、日本のがん羅漢数予測の1位が胃がん、2位が大腸がんとなっています。早期発見のためにも、胃腸に関わる検査の内容と結果を理解しておくことが大切です。

健康診断の検査項目について

健康診断を受診した後に送られてくる健康診断結果の見方をご紹介します。

いくつかの基準がありますが、ここでは日本人間ドック学会に準拠した基準値を中心に用いています。受診した医療機関から送付されてくるものとは使用されている単位が違う場合もありますので、ご注意ください。

検査項目

基準値

身体計測

BMI

18.5~24.9

血液

赤血球数
×104/μl

男400~539
女360~489

白血球数
×102/mm3

32~85

ヘモグロビン
g/dl

男13.1~16.6
女12.1~14.6

ヘマトクリット
%

男38.5~48.9
女35.5~43.9

MCV
μ3

男84~104
女83~101

MCH
μμg

男28~36
女27~34

MCHC

30~36

血小板数
×104/mm3

13.0~34.9

肝機能

AST(GOT)
IU/l

30以下

ALT(GPT)
IU/l

30以下

γ-GTP
IU/l

50以下

糖代謝

空腹時血糖
mg/dl

99以下

HbA1c
%

5.5以下

脂質代謝

総コレステロール
mg/dl

140~199

HDLコレステロール
mg/dl

40~119

LDLコレステロール
mg/dl

60~119

中性脂肪
mg/dl

30~149

尿酸

尿酸
mg/dl

2.1~7.0

腎機能

クレアチニン
mg/dl

男1.00以下
女0.70以下

尿検査

尿糖・尿たんぱく・尿潜血

陰性

赤血球・白血球

0~4/視野

循環器系

収縮期血圧

90~129mmHg

拡張期血圧

84mmHg以下

胃腸関連の項目で確認すべきポイント

健康診断を受けた際、胃腸の調子を確認するには便潜血検査の結果、バリウム検査の結果、胃部内視鏡検査の結果などがあります。

便潜血検査

便潜血検査とは、採取した便の検体に血が混じっているかどうかを調べる検査です。便の検体に血液に反応する試薬を混ぜて、血液が混入しているかどうかを判定します。

口から食物を摂取し、体内で消化されて便として排出される過程において、通常であれば便に血が混じることはありません。

しかし、大腸の中にポリープや腫瘍がある場合、便の中に血液が検出されます。
血液が検出される原因には、この他に肛門の病気である痔から出血している可能性もあります。

そのため便潜血陽性となった場合は、どこから出血したものなのか大腸内視鏡検査などの二次検査で詳しく検査をすることが必要になります。

バリウム検査

バリウム検査では、食道から胃、十二指腸までの検査をします。

もしこれらの臓器に異常のサインがあった場合には、再検査が必要となります。バリウム検査では、粘膜のただれや陥没などを発見することができます。

しかし、X線写真にうつる陰影の濃さで判断をするため、陰影だけでは詳しい状態を判別することは難しくなります。そこで、バリウム検査で何らかの異常の疑いが出た場合には、胃内視鏡検査で再検査を受けることになります。

胃内視鏡検査

バリウム検査で再検査が必要になった場合に受けることが多い胃内視鏡検査ですが、胃の調子が悪いときや自覚症状があるときなどは、バリウム検査をせずにより詳しい検査ができる胃内視鏡検査を選択することができます。

先端に小型のカメラがついたチューブを口や鼻から胃の中まで通します。
カメラでは食道から胃の内部がカラーで鮮明に映し出されます。モニターに移された映像を見ながら診断していくので、万一何か異常が発見された場合には、自身の食道や胃の内部の状況を確認しながら医師の説明を受けることができます。

何か病変の疑いがあるものがあれば、その場で一部を摘出し、検体として悪性のものかどうか病理検査に出します。

バリウム検査

バリウム検査とは造影剤のバリウム液を飲み、食道、胃、十二指腸までをX線写真で映し出す検査です。この検査は食道や胃、十二指腸のポリープや潰瘍、がんを発見することを目的としています。

どろどろとした液体のバリウムを飲み、検査台の上で体をごろごろ回転させることで、食道や胃の粘膜にまんべんなくバリウムを付着させます。潰瘍やポリープができている場所は凸凹しているため、バリウムが均一に付着しません。
そのためバリウムが溜まる箇所や付着していない箇所がX線で濃い部分や薄い部分として映し出されます。

バリウム検査でわかる症状・病気
胃潰瘍

胃の粘膜がただれて陥没してしまう状態のことです。空腹時に腹痛が起きたり、胸やけが起こったりします。食物を消化するための胃酸が自分の胃の粘膜も攻撃してしまうために起きる症状です。この胃潰瘍の70%前後の原因は、ピロリ菌によるものだと言われています。

慢性胃炎

胃の粘膜が炎症をおこし、炎症部分が広がると胃の粘膜が薄くなり、胃酸や胃液の分泌を行う組織が少なくなります。

この慢性胃炎が長く続くと、胃の粘膜が萎縮してしまう萎縮性胃炎となります。症状としては、膨満感や胃のもたれ、胸やけなどが起きます。ピロリ菌の感染により発症することが多くなります。

胃がん

胃の粘膜からは胃酸と粘液が分泌されています。

胃酸は食べ物を消化するための消化液で、とても強い酸性です。この強い酸から胃を守るための粘液も同時に胃の粘膜から分泌されています。

胃炎や萎縮を起こしている状態が長く続くと、胃の粘膜に腸上皮化生という現象が起き、胃がんに発展すると言われています。腸上皮化生とは胃の粘膜が腸の粘膜に置き換わってしまうことです。
つまり、胃にある粘膜が胃の粘膜の働きをせずに、腸の粘膜のようになってしまうのです。

胃がんの症状や原因、改善対策について

ピロリ菌

ピロリ菌とは、正式にはヘリコバクター・ピロリという細菌です。

前述のとおり、胃の中は胃酸という強力な酸性の液体が分泌されているため、細菌は死滅すると考えられていました。しかし、このヘリコバクター・ピロリは強酸性の胃の中でも生息できることがわかりました。

ピロリ菌が発見されるまで、胃の不調はストレスが原因であると考えられていました。しかし、慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなどにこのピロリ菌が大きく関与していることが分かってきました。ピロリ菌は一度感染してしまうと、生涯胃の中に定着します。ピロリ菌は、さまざまな分解酵素を作り出し、その酵素によって胃の粘膜が破壊され、慢性胃炎、萎縮性胃炎、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を引き起こします。そしてこれらの炎症が長期間続くことが胃がんの発生につながると考えられています。

ピロリ菌保菌者の胃がん発生のリスクは、ピロリ菌を保菌していない人に比べ5倍になるという研究結果が発表されています。さらに、ピロリ菌保菌者で萎縮性胃炎を発症している場合の胃がん発生リスクは、ピロリ菌も保菌せず健康な状態の人に比べ10倍に跳ね上がります。

胃内視鏡検査で萎縮性胃炎や潰瘍が認められた場合には、ピロリ菌の検査を行います。

検査方法は血液検査や呼気検査などいくつかの方法があります。その検査結果が陽性になった場合は、除菌を行います。除菌方法は、2種類の抗生物質と胃酸を抑える薬を7日間飲むことになります。一度目の除菌でピロリ菌を除菌できなかった場合には薬の組み合わせを変えて2回目の除菌を行います。2回目の除菌までは保険が適用となります。

ピロリ菌の症状や原因、改善対策について

大腸がん検査

大腸がんの検査は、便潜血検査、大腸内視鏡検査、注腸X線検査、直腸指診、CT検査、MRI検査、エコー検査、PET検査があります。

一般的には便潜血検査で陽性だった場合、肛門からカメラのついたチューブを入れ、大腸の中を見る大腸内視鏡検査を行うことが多くなります。胃内視鏡検査と同様、大腸の中がモニターに映し出されるため大腸内の状態を詳しく見ることができます。

大腸内視鏡検査では、腸粘膜に生じている炎症や潰瘍、ポリープ、がんなどを発見することができます。ポリープにはいくつかの種類があります。腺腫と呼ばれるものが代表的なものです。この腺腫は良性ですが、大きくなるにつれ悪性のがんとなることが分かってきています。このポリープが大きくなると、便と擦れて出血し、便潜血検査でも陽性を示すようになるのです。

大腸内視鏡検査の際、ポリープが発見された場合には、内視鏡の先端に内蔵されている鉗子(はさみ)を使ってその場で除去します。切除した組織は病理検査に回され、がんが含まれるものであるかどうかの検査をします。

大腸がんの症状や原因、改善対策について

健康診断で定期的なチェックをしましょう

健康診断を受けることによって病気の早期発見につながることがあります。

特に、胃や腸についてはバリウム検査や内視鏡検査など、大変なイメージが強く受診を躊躇してしまう場合もあります。しかし、1年に1回検診を受けることで自分の体の状態を知り、異変があればすぐに対応することが病気の早期発見と治療につながります。

軽い外傷のように時間とともに自然治癒されるものであれば、放置していてもかまいませんが、体の中のことは自分では見ることができません。症状が起きてからでは遅いこともあります。定期的に検査を受け、健康を維持していきましょう。

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